コラム 第2回:骨って、生きてるの?|骨活ガイド
Phase 1: 知る — 第2
連載の進み具合2 / 22
加藤

整形外科専門医・加藤裕幸

3分で読めます

「骨って、生きてるの?」— 毎日生まれ変わる組織のはなし

骨は、できあがったら終わりの「石」ではありません。今この瞬間も、あなたの中で生まれ変わっています。その事実を知ると、骨との付き合い方が少しやさしくなります。


外来で骨の話をするとき、私はよくこうお伝えします。

「骨はね、生きているんですよ」

すると、多くの方が少し驚いた顔をされます。「えっ、骨って硬いし、ずっと同じものだと思っていました」と。

無理もありません。レントゲンに白く写る骨は、いかにも“動かない部品”に見えます。でも本当は、骨はあなたの体の中で、毎日せっせと働いている生きた組織なのです。

自分の腕にそっと手を当て、骨のはたらきに思いをめぐらせて微笑む年配の女性 「骨は生きている」——そう知るだけで、自分の体を少し愛おしく感じられます。

古いところを直しながら、ずっと使われている

イメージしていただきたいのは、「ずっと工事中の家」です。古くなった柱を見つけては少しずつ取り替え、新しくしていく——その小さな補修工事が、あなたの骨の中で24時間、休みなく続いています。

骨を壊す担当と、新しく作る担当。この2つの“職人チーム”がかわるがわる働くことで、骨は何年もかけて、まるごと新しく入れ替わっていきます。くわしい仕組みは、記事のほうで絵を使ってやさしく説明しています。

📖 骨は生きている — 知っておきたい骨の一生

だから、「もう手遅れ」ではない

この「生まれ変わり」を知っていただきたいのには、理由があります。

骨が毎日作り直されているということは——今日からの暮らしが、これからの骨に届くということです。もし骨が一度きりの“使い捨て”なら、年を重ねたらもう何もできません。でも実際はちがいます。骨は今日も新しく作られようとしている。だからこそ、食事も、運動も、ちゃんと意味を持つのです。

「もう年だから」と思っていた方にこそ、知っていただきたい。骨は、今日もあなたのために働いています。

「骨密度が下がっている」と言われると、つい自分の体にがっかりしてしまいます。でも、あなたの骨は、決してサボっていたわけではありません。長い年月、あなたを支えながら、今もなお生まれ変わろうとしている——そう思うと、少し見方が変わりませんか。

今日できる、たったひとつのこと

難しいことは要りません。今日は、こう思っていただくだけで十分です。

「私の骨は、今もがんばってくれている」

自分の体を責めるのではなく、ねぎらう。その小さな気持ちの向きが、これから一緒に学んでいく食事や運動を、ずっと続けやすくしてくれます。

次回は、その骨の働きを陰でずっと支えてきた「女性ホルモン」と、閉経でやってくる変化についてお話しします。


この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療については、必ず主治医にご相談ください。

監修:加藤裕幸(整形外科専門医/東海大学医学部 医学教育学 教授)

骨のしくみ基礎知識
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