骨粗鬆症の記事に出てくる医学用語を、やさしい言葉でまとめました。気になる言葉があれば、ここで確認してみてください。五十音順に並べています。
この用語集は、骨の健康について理解を深めていただくための一般的な情報です。具体的な検査や治療については、主治医にご相談ください。
あ行
圧迫骨折(あっぱくこっせつ)
背骨(椎体)がつぶれるように変形する骨折。骨粗鬆症でもっとも多い骨折のひとつで、転んだ記憶がなくても、重い物を持ったり、しりもちをついたりしただけで起こることがあります。背中や腰の痛み、身長が縮む、背中が丸くなる、といったサインに気づくことが大切です。→ 骨粗鬆症とは
エストロゲン(女性ホルモン)
卵巣から分泌されるホルモンで、骨を守る「盾」のような役割を果たしています。閉経によりエストロゲンが減少すると、骨が壊されるスピードが速くなり、骨粗鬆症のリスクが高まります。→ 女性ホルモンと骨の深い関係
エビデンス
「科学的な根拠」のこと。ある情報や予防法が、どのくらい信頼できる研究で確かめられているかを示します。研究の質に応じて段階的に評価され、質の高い研究で繰り返し確認されたものほど、信頼できる情報とされます。
オステオカルシン
骨の中にあるタンパク質で、カルシウムをつかまえて骨の材料にくっつける「接着剤」のような働きをします。ビタミンKの助けがないと、本来の力を発揮できません。→ 納豆パワー
か行
ガイドライン
専門家が最新の研究をまとめた「診療の道しるべ」。医師が診断や治療方針を考えるときに参考にする指針で、数年ごとに最新の知見をもとに改訂されます。
カルシウム
骨をつくる主要な材料となるミネラル。体内のカルシウムの99%は骨と歯に蓄えられています。不足すると、体は骨から溶かし出して補おうとするため、骨が弱くなります。乳製品・小魚・大豆製品・緑黄色野菜などから、毎日こまめにとることが大切です。→ 骨を強くする食事
骨芽細胞(こつがさいぼう)
新しい骨をつくる「建設チーム」の細胞。コラーゲンの土台をつくり、その上にカルシウムを沈着させて骨を強くします。→ 骨は生きている
骨吸収(こつきゅうしゅう)
古くなった骨が壊されること。破骨細胞が担当しています。骨吸収のスピードが骨形成(骨をつくること)よりも速くなると、骨がスカスカになっていきます。→ 骨は生きている
骨形成(こつけいせい)
新しい骨がつくられること。骨芽細胞が担当しています。骨形成と骨吸収のバランスが骨の健康を左右します。→ 骨は生きている
骨質(こつしつ)
骨の「質」、つまり骨のしなやかさや微細な構造の良し悪しのこと。骨の強さは、骨密度(量)だけでなく骨質(質)の両方で決まります。骨密度がそれほど低くなくても、骨質が低下していると骨折しやすくなることがあります。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
骨の量が減り、骨の質が低下して、骨折しやすくなった状態のこと。痛みなどの自覚症状がないまま進行するため「静かな病気」と呼ばれています。日本には推計1,280万人以上の患者さんがいるとされています。→ 骨粗鬆症とは
骨密度(こつみつど)
骨の中にどれくらいカルシウムなどのミネラルが詰まっているかを示す値。骨密度検査(DEXA検査)で測定し、TスコアやYAM値で表されます。→ 骨密度検査(DEXA)のすべて
骨リモデリング
古い骨を壊して(骨吸収)、新しい骨をつくる(骨形成)サイクルのこと。骨は常に少しずつ入れ替わっており、海綿骨では約3〜4年、骨全体ではおよそ10年かけて入れ替わるとされています。→ 骨は生きている
骨量減少(こつりょうげんしょう)
骨密度が正常と骨粗鬆症の間にある状態。Tスコアでは −1.0〜−2.5 の範囲です。骨減少症(オステオペニア)とも呼ばれます。この段階で生活習慣の改善を始めることが大切です。
コラーゲン
骨の体積の約50%を占めるタンパク質。骨の「鉄筋」にあたる部分で、ここにカルシウムが沈着して骨が強くなります。→ タンパク質と骨
さ行
サルコペニア
加齢に伴って筋肉の量や力が低下した状態。筋力が落ちると転倒しやすくなり、骨折のリスクも高まります。骨と筋肉は密接に関係しています。→ タンパク質と骨
ステロイド性骨粗鬆症
ぜんそく・リウマチ・膠原病などの治療で副腎皮質ステロイド(ステロイド薬)を長く使うと、その影響で骨がもろくなることがあります。原因がはっきりしている骨粗鬆症のひとつで、ステロイドを使っている方は、骨の状態にも気を配ることが大切です。自己判断でステロイドを中止せず、骨のことも含めて主治医にご相談ください。→ ステロイドと骨
脆弱性骨折(ぜいじゃくせいこっせつ)
軽い力でも起こってしまう骨折のこと。立った高さからの転倒など、本来なら折れないような弱い力で起きる骨折を指し、骨が弱っているサインです。一度脆弱性骨折を起こすと、次の骨折のリスクが高まることが知られています。→ 骨折の連鎖を止める
た行
大腿骨近位部骨折(だいたいこつきんいぶこっせつ)
太ももの付け根(足のつけ根)の骨折。骨粗鬆症による骨折の中でも、特に生活への影響が大きいとされています。手術が必要になることが多く、寝たきりの原因にもなります。→ 骨粗鬆症とは
椎体骨折(ついたいこっせつ)
背骨(椎体)の骨折。圧迫骨折とほぼ同じ意味で使われます。気づかないうちに起きていることも多く、健診のレントゲンで偶然見つかることもあります。→ 骨粗鬆症とは
Tスコア(ティースコア)
骨密度検査(DEXA検査)の結果を、若い健康な人の骨密度と比較して表した数値。0が若い人の平均で、マイナスが大きいほど骨密度が低いことを示します。−2.5以下で骨粗鬆症と診断されます(主に閉経後の女性と50歳以上の男性に適用)。→ 骨密度検査(DEXA)のすべて
骨密度検査(DEXA検査・デキサけんさ)
「二重エネルギーX線吸収測定法」の略。2種類の弱いX線を使って骨密度を測る検査で、痛みはなく数分で終わります。腰椎と大腿骨近位部を測定するのが標準です。骨粗鬆症の診断にもっとも信頼されている検査法です。→ 骨密度検査(DEXA)のすべて
な行
納豆ベルト
東日本(関東・東北)で納豆の消費量が多く、大腿骨骨折の発生率が低いという疫学的な傾向を指す言葉。納豆に含まれるビタミンK2(MK-7)が骨の健康に良い影響を与えている可能性が研究されています。→ 納豆パワー
二次性骨粗鬆症(にじせいこつそしょうしょう)
加齢や閉経そのものではなく、別の病気や薬の影響など、はっきりした原因によって起こる骨粗鬆症のこと。糖尿病や関節リウマチなどの病気が背景にあることもあります。原因への対応が大切になるため、気になる持病がある方は主治医にご相談ください。→ 糖尿病と骨
は行
ハイドロキシアパタイト
カルシウムとリンからなる結晶で、骨の硬さのもとになる成分。コラーゲンの土台の上にハイドロキシアパタイトが沈着して、硬く丈夫な骨がつくられます。
破骨細胞(はこつさいぼう)
古くなった骨を壊す「解体チーム」の細胞。骨リモデリングの過程で、骨芽細胞とバランスをとりながら骨を入れ替えています。このバランスが崩れると骨粗鬆症になります。→ 骨は生きている
ピークボーンマス(最大骨量)
一生のうちで骨量がもっとも高くなる時期の骨の量。20〜30歳代でピークを迎え、その後は少しずつ減っていきます。若いうちにしっかり骨を蓄えておくことが、将来の骨粗鬆症予防につながります。
ビタミンD
カルシウムの吸収を助けるビタミン。日光を浴びることで皮膚でつくられますが、日本人の多くは不足しているとされています。食事や日光浴での補給が推奨されており、目安は800〜1000IU/日です。→ ビタミンDと太陽
ビタミンK2(MK-7)
骨の中のオステオカルシンを活性化し、カルシウムを骨に定着させる働きがあるビタミン。納豆に特に多く含まれ(1パックで約500μg以上)、体内で約72時間持続します。血液をサラサラにするお薬(ワルファリン)を服用中の方は摂取に注意が必要なので、主治医にご相談ください。→ 納豆パワー
FRAX®(フラックス)
WHO(世界保健機関)が開発した骨折リスク評価ツール。年齢、性別、体重、骨折歴、家族歴などから、今後10年間の骨折リスクを計算します。日本版もあり、自分のリスクを知る手がかりのひとつとして使われています。→ リスクチェック
や行
YAM値(ヤムち)
Young Adult Mean の略。若い健康な人の骨密度の平均値を100%として、あなたの骨密度が何%かを示す値です。日本の検査結果でよく使われます。80%以上が正常、70%以下で骨粗鬆症と診断される目安です。→ 骨密度検査(DEXA)のすべて
ら行
ロコモティブシンドローム(ロコモ)
骨・関節・筋肉など運動器の障害により、立ったり歩いたりする機能が低下した状態。骨粗鬆症はロコモの原因のひとつです。→ 転倒予防
わ行
ワルファリン(ワーファリン)
心房細動や血栓症の治療で使われる「血液をサラサラにするお薬」。ビタミンKの働きを抑えることで効果を発揮するため、ワルファリン服用中は納豆やビタミンK2サプリメントを避ける必要があります。同じ「血液をサラサラにするお薬」でも種類によって注意点が異なるため、詳しくは主治医・薬剤師にご確認ください。→ 納豆パワー
この用語集は、当サイトの記事を読む際の参考としてお使いください。医学用語の解釈に迷われた場合は、主治医にご確認いただくのが一番確かです。